科学の感動をすべての人々に
実験しよう
高校理科教諭
山田 善春さん
各地で実験ショーや実験教室を行い、オリジナル実験の開発も多数手掛ける。「探偵ナイト・スクープ」、「伊東家の食卓」などに出演。理科教諭や学生、社会人など、実験好きの人たちが集まるサイト「オンライン自然科学教育ネットワーク」の世話人。 オンライン自然科学教育ネットワーク http://www.onsen-web.org
・振り子でガリレオになってみよう!? 平成24年3月15日号
・スリル満点!色変わり爆発泡実験 平成23年11月15日号
・クロマトグラフィーに挑戦しよう! 平成23年9月1日号
・うがい薬でヨウ素デンプン反応! 平成23年7月15日号
・ろうそくで縫い針を磁石にしよう!? 平成23年5月1・15日合併号
・お絵描き草木染めに挑戦 平成23年1月1・15日合併号
・不思議?手を入れると涼しいビン!! 平成22年7月15日号
・氷が解けるとへこむ不思議な氷入りペットボトル!! 平成22年6月15日号
・缶コーヒーでおもしろ実験!振るだけで不思議な現象が!? 平成22年5月15日号
・万華鏡の秘密を探ってみよう! 平成22年4月15日号
・カカオからチョコレートを作ってみよう 平成22年2月15日号
・手作り発泡入浴剤に挑戦しよう!? 平成21年12月15日号
・ペットボトル空気砲を作って遊ぼう!! 平成21年10月15日号
・日食を木漏れ日でおもしろ観察しよう!? 平成21年7月15日号
・福沢諭吉が船上で挑戦した「どう砂」作りをやってみよう! 平成21年6月15日号
・地球は生卵 月はゆで卵!? 平成21年5月15日号
・シャカシャカしてバターを作ろう! 平成21年4月15日号
・ペットボトルでビー玉の遠心力体験! 平成21年3月15日号
・ペットボトルとコップで望遠鏡!? 平成21年2月15日号
・今年は宇宙が面白い! 平成21年1月1日15日合併号
・水中シャボン玉に挑戦! 平成20年12月15日号
・ザルで電波をカット!? 平成20年11月15日号
・ペーパーグライダーに挑戦 平成20年10月15日号
・輪ゴムでエアコン?! 平成20年7月15日号
・自分の盲点を探そう! 平成20年6月15日号
・淀川のワンドに行ってみよう! 平成20年5月15日号
・簡単草木染めに挑戦! 平成20年4月15日号
・〜片栗粉でふしぎ体験〜ダイラタンシーで遊ぼう 平成20年3月15日号
・「落ちない百円玉」 平成20年2月15日号
・「スケスケ卵にトライ!?」 平成19年12月15日号
・「空飛ぶ種」を作ろう 平成19年11月15日号
・ストローアメンボを作ろう 平成19年10月15日号
・紙パックブーメラン 平成19年9月15日号
・スポンジ「浮いてこい」を作ろう! 平成19年8月1日号
・シャボン玉の空中停止(ホバリング)に挑戦 平成19年7月15日号
・奇麗なピンホール万華鏡 平成19年6月15日号
・ポリ袋がハリネズミに! 平成19年5月15日号
・振り子で科学マジック! 平成19年4月15日号
・骨導音を聞いてみよう! 平成19年3月15日号
・ペットボトルで竜巻実験 平成19年2月15日号
・ろうそくで実験しよう!! 平成18年12月15日号
・トーストで「逆」あぶり出し 平成18年11月15日号
・魚洗鍋(ぎょせんなべ)をやってみよう 平成18年10月15日号
・タレビンで宇宙を体験!? 平成18年9月15日号
・「虹」を作ろう! 平成18年8月1日15日合併号
・熱湯も霧吹きで涼しくなる!? 平成18年7月15日号
・教訓茶碗を作」ろう!? 平成18年6月15日号
・オブラートが踊り出す!? 平成18年5月15日号
・コップの中に空を作ろう! 平成18年4月15日号
・春霞を実験しよう 平成18年3月15日号
・卵を立ててみよう 平成18年2月15日号
・風船マジック実験 平成17年12月15日号
・「イソジンとミカン」で科学マジック 平成17年11月15日号
・見えない星を見てみよう 平成17年10月15日号
・TVリモコンで面白実験 平成17年9月15日号
・冷却マジック実験 平成17年8月15日号
・不思議!ストロー静電気 平成17年7月15日号
・シャボン玉で遊ぼう! 平成17年6月15日号
・紙飛行リングで回転の秘密を探ろう! 平成17年5月15日号
・カレーソース焼きそばで中和実験 平成17年4月15日号
・トイレットペーパーでリサイクル紙作り 平成17年3月15日号
・太陽は地上に近いと大きく見える!? 平成17年2月15日号
・鳥や飛行機が空を飛ぶ理由が分かる、フ〜とハ〜の実験 平成16年12月15日号
・色変わりたこ焼き 平成16年12月1日号
「受験のテクニックでなく、多くの人に理科の面白さを伝えたい」と、話すのは山田善春さん(現、大阪市立高校教諭)。知識の深さと、応用力が広く支持され、テレビ番組にも出演。 科学の本質を押さえ、質の高い実験を見てもらおうと8年前にオンライン自然科学教育ネットワークhttp://onsen-web.orgを立ち上げ、休日も講演会やライブショーで大忙しです。
島根県浜田市。小学校の授業が終わると友だちを誘って、毎日家の近くの物作りや修理工場に向かう。「おっちゃん、これ何?」。そこで作られる物や部品、働く人に興味があった。「へぇ、だったら、次にこうやったらどうなるの?それで?…」少年たちの尽きることのない「なぜ?」に工場の人たちはいつも快く相手になって興味に応えてくれたのです。大量 のチップ材に飛び込んで泳いだ。溶鉱炉の前で燃え盛る炎をずっと見ていた。不思議の宝庫、工場が格好の遊び場となり、少年の好奇心は、いつしかミクロの世界から果 てしない宇宙をも追究する旅、物理へと変わっていったのです。 大阪市大理学部へ進学すると、教育実習では生徒たちと楽しく科学を味わい、心を通 わせた。「先生、優しく叱ってくれてありがとう」。今も時折読み返す感想文は宝物。教壇に立つ楽しさを教えてくれた原点、と目を細めます。授業は、体験型。しかし、面白いの連続だと育たない。落ち着いた雰囲気をつくり、できる限り素材に触らせる、味わわせる、匂わせる。日常的で身近な感覚を持たせ、勘をくすぐる。そして量 的な関係や自然のしくみへの理解を深めさせてイメージの世界を広げていく。理科は心の成長にも限りなく大きな力を持っている教科なのです。
「親子が実験を通して対話し、遊び、学ぶことの橋渡しができたらうれしい。子どもに疑問がわいたらチャンス。きちんと体験、納得させてあげましょう。なるほど!が楽しくなるはず」と話す瞳は今も少年のようです。マイライフ新15日号に「実験しよう」連載中。
振り子でガリレオになってみよう!? 平成24年3月15日号
今回は振り子の実験を紹介します。写真のように、ボール(紙を丸めてテープで巻いたものでもよい)に、糸をテープで付けるだけで振り子の完成です。揺らすと規則的な往復運動をします。振り子の腕(振り子を吊り下げている支点からボールの中心までの距離)が25センチだと、周期(往復する時間)は1秒になります。
振り子の振れ幅を変えて周期を測ってみましょう。振れ幅の大小では周期が変化しません。またボールの重さを変えても周期は変化しません。これを振り子の等時性(ガリレオがピサの大聖堂で揺れるシャンデリアを見て発見したと言われている)と言います。この性質を応用したのが振り子時計です。
さて、揺れている振り子を、吊り下げている手だけで止めることができるでしょうか?ボールが往復運動の端に達した時に、吊り下げている手をボールの真上に移動させてみてください。ボールが止まります。
往復運動の端ではボールが一瞬止まります。その時、糸がボールの真上に来ると、糸が引っ張る力と重力が釣り合い、ボールは止まってしまいます。この事から重力が振り子を動かしていることが分かります。重力が弱いと振り子の動きが遅くなり、無重力では動けません。
振り子の実験は誰にもできて面白いので、ぜひやってみてください。
スリル満点!色変わ
り爆発泡実験 平成23年11月15日号
はじめに下の写真をご覧ください。綺麗な色が並んでいますね。
これはコーヒーフィルターを短冊状に切って水性サインペンで印をつけ、紙の端から吸水させた後、乾燥させたものです。この結果から一色に見えるインクでも、複数の色素が混ぜられているのが分かります(※メーカーにより出てくる色素が異る)。
さて、どの紙が何色のインクのものでしょう?正解は右側から緑、赤、オレンジ、茶、紫、黒です。
なぜ色素が分かれて出てくるのでしょう?水が紙を濡らす時、水は紙の繊維の間を移動します。その時、水に溶けている色素は、その大きさや化学的な性質によって、スムーズに移動したり、引っかかって遅くなったりして、移動速度に違いが生じます。そのため色素が分離されて出てくるのです。
インク・混ざっている物(混合物)から、色素・ピュアな物質(純物質)を取り出すことを、分離と言い、中でも色の違いで分離する方法を、クロマトグラフィー(ギリシャ語=色で書かれたもの)と呼びます。紙を使うものはペーパークロマトグラフィー、ガスを水の代わりに使うものはガスクロマトグラフィーと言います。クロマトグラフィーは放射性の汚染物質など、様々な物質を分離・分析するのに使われています。
クロマトグラフィーに挑戦しよう! 平成23年9月1日号
はじめに下の写真をご覧ください。綺麗な色が並んでいますね。
これはコーヒーフィルターを短冊状に切って水性サインペンで印をつけ、紙の端から吸水させた後、乾燥させたものです。この結果から一色に見えるインクでも、複数の色素が混ぜられているのが分かります(※メーカーにより出てくる色素が異る)。
さて、どの紙が何色のインクのものでしょう?正解は右側から緑、赤、オレンジ、茶、紫、黒です。
なぜ色素が分かれて出てくるのでしょう?水が紙を濡らす時、水は紙の繊維の間を移動します。その時、水に溶けている色素は、その大きさや化学的な性質によって、スムーズに移動したり、引っかかって遅くなったりして、移動速度に違いが生じます。そのため色素が分離されて出てくるのです。
インク・混ざっている物(混合物)から、色素・ピュアな物質(純物質)を取り出すことを、分離と言い、中でも色の違いで分離する方法を、クロマトグラフィー(ギリシャ語=色で書かれたもの)と呼びます。紙を使うものはペーパークロマトグラフィー、ガスを水の代わりに使うものはガスクロマトグラフィーと言います。クロマトグラフィーは放射性の汚染物質など、様々な物質を分離・分析するのに使われています。
うがい薬でヨウ素デンプン反応! 平成23年7月15日号
今回はヨウ素系うがい薬で、皆さんよくご存じのヨウ素デンプン反応の実験をしましょう。 写真左はデンプンを含んだ食品に薄めたうがい薬をかけたものです。ティッシュはデンプンと同じ組成のセルロースでできていますが、デンプンと糖類のつき方が異なるので、ヨウ素デンプン反応をしません。
また、わらび餅と食パン、ご飯は青色系の色変化をしますが、お餅は赤色系の色変化をします。この色変化の違いはデンプンの種類の違いによるものです。青色系の反応はアミロースと呼ばれる糖類が真っすぐらせん状に並んだデンプンの特徴です。赤色系の反応はアミロペクチンと呼ばれる、糖類のらせんから枝分かれしているものが多いデンプンの特徴です。もち米の粘り気や弾力は、枝分かれの多いデンプンの性質によるものです。
反応後のものを電子レンジで加熱すると写真右になります。反応色がほとんど消えてしまうのは、デンプン分子が加熱されてばらばらになり、光に反応しなくなったと考えられます。 お子様の夏休みの自由研究に、身近なデンプンを調べてみられてはいかがでしょう。
ろうそくで縫い針を磁石にしよう!? 平成23年5月1・15日号
今年は「世界化学年」。100年前、キュリー夫人がノーベル化学賞を受賞したのを記念して国連が制定しました。今回はキュリー夫人にちなんだ実験を紹介します。
ろうそくと縫い針、水をたくさん入れたコップを用意します。ろうそくに火を点け、炎の青い部分に縫い針をあて、先端を熱します(ガスライターでも可。やけどに注意してください)〈写真右〉。
炎で熱くなった縫い針の先端を水に浸けて急激に冷やし、次に縫い針にろうそくをこすりつけて、針全体に薄くろうを付けます。この針を水平にして静かにコップの水の表面に浮かべます〈写真左〉。すると、針がある方向を向いて静止します。方位磁石で調べると針が南北方向を示しているのが分かります。縫い針は磁石になっていたのです。
ろうそくの炎の温度は約1000度。縫い針は鉄でできていますが、鉄が高温になって冷却する時、地磁気の影響を受けて、磁石になるのです。
キュリー夫人の夫のピエールは、鉄のような金属がある温度(キュリー温度)以上になると強磁性(磁石になる性質)を失い、冷えると強磁性を得ることを発見しました。縫い針はこの性質によって磁石になったのです。
お絵描き草木染めに挑戦 平成23年1月1・15日号
カレー粉に含まれる黄色い香辛料、ターメリック(ウコン)には、アルカリ性で赤に色変わりするという不思議な性質があります。これを利用して、お絵描き草木染めに挑戦しましょう。用意するものは、木綿の白いハンカチ、ターメリック、ミョウバン、ボウル2つ、お湯、割り箸、筆、重曹。
中型のボウル2つにお湯を七分目ほど入れ、一つ(A)にターメリックを小さじ2杯、もう一つ(B)にミョウバンを小さじ1杯ほど入れ、各々よく混ぜます。ボウルAにハンカチを入れ、2〜3分浸して割り箸で取り出し、湯切りしてBに2〜3分浸します。その後、取り出して湯切りし、再びAに入れます。
これを3回繰り返し、水洗いしてよく乾かします。これでターメリックの草木染めが完了です。
このハンカチに重曹を溶かした水を含ませた筆で字や絵を描くと、赤く変わります。
これはターメリックの色素、クルクミンが重曹のアルカリ性で赤色に変色するからなのです。また、酸性の酢をティッシュに含ませて変色した部分に当てると、重曹のアルカリ性が酢で中和されて黄色に戻ります。ちょうど消しゴム代わりになり、何度も繰り返して使うことができます。不思議なお絵描きをぜひやってみましょう。
不思議?手を入れると涼しいビン!! 平成22年7月15日号
今回は涼しさの秘密に迫ってみましょう。まず、乾燥剤(新しいものが良い)が入っている味付け海苔の空きビンを用意します。無ければ、乾燥剤をビニール袋に入れ、そのビニール袋をビンの代わりにします。
ビンはあらかじめ蓋をして室内に30分程置いておき、内部の温度が室温と変わらない状態にしておきます。
そこで実験です。ビンの蓋を開け、ゆっくり手を入れます(写真)。さてビンの中の空気はどんな感じでしょうか?何とひんやり涼しく感じます。ビンの中と外は同じ温度のはずなのに…。
その理由を考えてみましょう。ビンの中は乾燥剤によって乾燥しています。そのため手の皮膚から汗の蒸発が進み、皮膚から蒸発(気化)熱が奪われ、皮膚の温度が下がるのです。これは注射する時にアルコールを皮膚に塗ると涼しく感じるのと同じです。
同じ気温でも風が吹くと涼しく感じるのも、皮膚から汗の蒸発が進み、その蒸発熱で体の表面温度が下がるのです。通気性の良い服は風が抜け、汗の蒸発を促すので、涼しく感じます。ただし、暑いからと言って、お風呂上がりに濡れたままで扇風機に当たると、汗の蒸発熱と体についたしずくが蒸発することで体温が下がり過ぎ、夏風邪を引きますので注意してください。
氷が解けるとへこむ不思議な氷入りペットボトル!! 平成22年6月15日号
今回は梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばす、とても涼しくなる実験を紹介します。
まずペットボトルに水を半分入れ、冷凍庫で凍らせます。水が完全に凍ったらペットボトルを冷凍庫から取り出し、注ぎ口ぎりぎりまで水を加え、しっかりふたを閉めます。これで準備完了。
まずはそのままペットボトルを放置し、氷が解けるのを観察します。読者の多くはペットボトルが膨らんで破裂するかも?と想像されるのではないでしょうか。
ところが実際にはその逆で、ペットボトルはへこんでいきます。さらにペットボトルを強く振ると、氷が解け、どんどんへこみます(写真)。この実験ではペットボトルがへこむ不思議さと同時に、ひんやりとした冷たさが味わえます。
ぜひやってみましょう。
水は氷になると体積が約1割増え、逆に氷が水になると体積は減少します。物質の中で固体が液体になると体積が減るものは、水以外にはあまりありません。氷が解けて水になると、氷と水を合わせた体積は減少し、氷がすべて解けるまでペットボトルはへこみ続けます。
今回の実験から、地球温暖化で海面が上昇するのは海の氷が解けることが原因でないことが分かります。海面の上昇は、陸の上の氷が解けて水になり、海水に加わることによります。
缶コーヒーでおもしろ実験!振るだけで不思議な現象が!? 平成22年5月15日号
テレビ番組『探偵ナイトスクープ』に時々出演しています。最近放送されたもので興味深いものがありました。
自販機で売っているホットの缶コーヒー、静かに握っているとそれほど熱く感じませんが、強く振るとすごく熱くなり、持てなくなるというものです。缶には「よく振ってお飲みください」とありますが、こんな現象が起こるとはメーカーの方でさえご存じありませんでした。
どうしてこのような現象が起こるのでしょう。缶は熱が伝わりやすい金属でできています。そのため内部の液体の缶に接している部分の温度はすぐに下がります。しかし液体は金属に比べて熱が伝わりにくいので缶に接していない液体内部の温度はすぐには下がりません。缶を振ると、内部の熱い液体が撹拌されて金属に接している冷えた液体と入れ替わり、熱く感じます。
この時、温度を測ると液体全体の温度は少し下がります。缶を振ることで内部の液体から外への熱の移動が速められ、熱く感じたのです。
逆に冷やした缶コーヒーを振ると冷たさが増します。熱の移動は逆向きですが、振ると熱の移動が速められ、冷たく感じるのです。
世の中にはまだまだ知られていない現象がありますね。
万華鏡の秘密を探ってみよう! 平成22年4月15日号
すっかり春めいてきましたね。今回は春の明るい光で楽しめる、万華鏡の実験を紹介します。
まずは「超」簡単な万華鏡を作ってみましょう。3枚の長方形の鏡(百均などで売っている同じ形の物)を、鏡面を内向きにして、
外側をセロハンテープでつなぐだけ。これで完成です(写真上)。
三角の窓から中を見てみましょう。真ん中にある三角形の中の像が繰り返し鏡に映って視野全体が埋め尽くされます。草花や色々な物を近付けて見ると、
とても奇麗です。ぜひ作ってみてください。
万華鏡は約200年前、スコットランドの物理学者・ブリュースターによって発明されました。玩具として世界中に広まったのですが、実は光の実験にも使えます。
万華鏡で矢印を見てみましょう(写真下)。中央の○がついた矢印は、鏡に映った像ではなくて、直接、目で見ている像です。それ以外の矢印は鏡に映った像。
境界線に対して対称になっているので鏡に映った像だということが分かります。
次に万華鏡の中の周辺の像を見てみましょう。光が反射を繰り返すた め、たくさんの像が見えます。万華鏡の中には光の空間が無限に広がっているのが分かります。
ぜひのぞいてみてください。わくわくの発見が楽しめること、請け合いです。
カカオからチョコレートを作ってみよう? 平成22年2月15日号
チョコレートの原料はカカオ豆と呼ばれるカカオの木の種子(写真)。今回はバレンタインデーにちなんで、カカオ豆からチョコレートを作ってみましょう。
まずカカオ豆を手に入れます。最近ではインターネットでも販売しています。
オーブンを120度に設定して予熱をした後、カカオ豆を20分間加熱して焙煎します。それを砕いて、皮と胚芽(芽になる部分)を取り除きます。次にフードプロセッサーを使い、カカオ豆を粉砕します。カカオ豆には約50%のカカオバターが含まれていて油がにじみ出てきます。1分ぐらいで粉砕をやめ、すり鉢で細かく練りつぶすと、ペースト状のカカオマスと呼ばれる状態になります。なめるととても苦い味がします。次にお好みの量の砂糖、粉ミルクを加えます。
滑らかになったら目の細かいざるでこし、湯煎にして約50度になるようにしながら約1時間練り続けます。
金属製のボールに移し替え、冷水に浸して生地を27度まで下げ、再び湯煎で温め、約30度にして、好みの型に流し込み、冷ましてから冷蔵庫で冷やし固めます。
固まったら型から抜いて手作りチョコレートの出来上がりです。ほろ苦い手作りのお味を楽しんでみてください。
手作り発泡入浴剤に挑戦しよう!? 平成21年12月15日号
寒くなってきましたが、いかがお過ごしですか。体が温まるお風呂がうれしい時期ですね。今回は発泡入浴剤を作ってみましょう。
用意する物は、重曹・クエン酸・無水エタノール(これらは薬局で販売しています)、アロマオイル(お好みの香り)、食紅(お好みの色)、入浴剤の形を整える容器(円筒形のプラスチック容器)、食塩です。
大さじ3杯の重曹と大さじ1杯のクエン酸を円筒形の容器に入れ、無水エタノールを約20滴とアロマオイル数滴、食紅と食塩を少量加え、スプーンでよく混ぜて、上から押さえて固め、そのまま乾燥させて固まるまで放置します(水を加えると発泡するので水気は避ける)。これで出来上がりです(写真)。お風呂に入れるとシュワシュワと泡が出て楽しめます。
この泡は重曹から出てくる二酸化炭素。重曹は炭酸水素ナトリウムというもので、クエン酸のような酸と反応すると、二酸化炭素が発生するのです。無水エタノールは水を含んでいないので、粉が混ざるだけで反応しませんが、水に溶かすと反応が起こり、二酸化炭素が発生します。なお、食塩を入れるのは発泡入浴剤を固まりやすくするためです。 皆さん、ぜひ作ってお風呂で楽しんでみてください。きっと温まりますよ。
ペットボトル空気砲を作って遊ぼう!! 平成21年10月15日号
イルカはバブルリングを作って遊ぶことが知られています。水中でイルカが口から空気を吹き出すと泡の輪ができるのです。
空気中でも同様のものを作ることができます。段ボールの箱に丸い穴を開け、中に線香などの煙を充満させて箱をたたくと、穴から輪が出てくるのが分かります(出てくる輪を空気の弾と見立てて、穴を開けた段ボールを「空気砲」と呼んでいます)。
バブルリングや煙の輪は、口や穴から空気が勢い良く押し出される時、周囲から抵抗を受けるために回転して渦になるので「渦輪」と呼ばれます。「渦輪」は、安定しているのでしばらく消えずに進みます。
ペットボトルで小さな空気砲を作ってみましょう。ペットボトルの飲み口部分から約10cmの所で切り落とします。その切り口にゴム風船を膜状に切ってビニールテープですき間ができないように貼り付けます。ゴム膜を指で引っ張って離すと飲み口部分から空気の渦輪が発射されます
(写真)。煙を中に入れ、弱めに打つと渦輪が見られます(線香の煙を使う時は火の管理に十分気を付けましょう)。
日食を木漏れ日でおもしろ観察しよう!? 平成21年7月15日号
この7月22日(水)に日本各地で日食の天体ショーが見られます。
太陽が月に遮られて欠けて見えるのが日食です。九州南方の島々では太陽が完全に隠れて皆既日食になり、それ以外の地域では部分日食に。大阪では9時47分から始まって、11時5分に最大の82%欠けた三日月状態になり、12時25分に終わります。
太陽光は直接見ると網膜が痛んで失明するので直接見てはいけません。専用の道具を使うのも良いのですが、安全に楽しく観察できる方法があります。
日食が始まったら木漏れ日が地面に映るのを見てください。三日月の太陽がたくさん観察されます。葉と葉の隙間がピンホールカメラのように働くのです。指で小さな輪を作って地面に影を映しても同じ原理で三日月の太陽を見ることができます。22日はぜひ晴れてほしいですね!!
福沢諭吉が船上で挑戦した「どう砂」作りをやってみよう! 平成21年6月15日号
福沢諭吉が「適塾」の塾生だったころ、「どう砂」と呼ばれた塩化アンモニウム作りに挑戦しました。どう砂は今では肥料や乾電池に使われていますが、当時は滅多に手に入らない物質。
その実験を身近なものでやってみましょう。
彼は原料のアンモニア作りに苦心し、異臭がひどいので大川に浮かべた船上で行いました。今回はアンモニアを含むキンカンで代用します。 息を吹き込んだペットボトルに少量の水を入れて食塩を多めに溶かし、透明になったところでキンカンの中ぶたを取り、液体を加えます。途端に白く濁ります(写真)。ペットボトルに何度も息を入れてはふたをしてよく振ってみましょう。後で出てくる小さな白いもやもやは重曹の炭酸水素ナトリウム。どう砂は水に溶けるので見えませんが無臭。アンモニア臭が無くなるので、アンモニアがどう砂になったことが分かります。
生卵とゆで卵を割らずに区別する方法があるのをご存じですか? 写真のように卵をテーブルの上に置き、ひねって速く回転させます。次に卵を手でパッと止め、そのまますぐ手を離して卵を観察します。ゆで卵なら止まったままですが、生卵だと、また回転を始めます!なぜでしょう。
生卵の内部は液体です。液体を一度回転させると全体を急に止めることはできません。卵を止めても内部の液体は回転を続けていて外側の殻を押し続けるので、卵がまた回転を始めるのです。
ゆで卵だと内部が固体なので生卵のようなことは起こりません。固体だと一部を止めると全体も止まるからです。
さて、地球内部の外核と呼ばれている部分は液体であることが知られています。もし地球の自転を巨大な手でパッと止め、すぐ離したらどうなるでしょう。地球は生卵と同じなので自転を始めるはずです。
同じことを内部がすべて固体の月にするとどうなるでしょう。月はゆで卵と同じなので止まると動かないはずです。もし動いたら内部に液体があることに。できるならやってみたいですね。
乳製品のバターはどのようにしてできるのでしょう。牛乳の中には小さな脂肪の粒(脂肪球)がカゼイン(タンパク質の一種)の膜に包まれて浮遊しています。搾りたての牛乳を放置すると脂肪球が浮いてきて層ができます。これを取り出し、振動を与えると脂肪がくっついて固まりバターができるのです。
市販の牛乳は小さな脂肪球に均質化(ホモゲナイズ)されていてバターになりにくいので、大きな脂肪球の乳脂肪分40%程の生クリーム(写真)を使います。
広口のジャムなどのビン(写真)の中に生クリームを入れ、ふたをして約30分間シャカシャカと振り続けると突然固まり始め、無塩バター(写真のビンの中)ができます。冷やすと固くなり食塩を加えると有塩バターになります。意外においしいですよ。バターが黄白色なのはカロチノイド(ビタミンAになる成分)のためです。
いきなり質問です。
ペットボトルにビー玉を20個入れ、それを2つに分けるのにはどうしたらいいでしょう?答えは「ペットボトルを横に寝かせて回転させる」です。ペットボトルの中央を中心にして回転させるとビー玉に遠心力が働き、口の方と底の方に分かれて移動します(右図)。
遠心力は物体が回転や円運動をする時、外向きに現われます。車がカーブする時に外向きに力を感じますね。それが遠心力です。
地球が完全な球でなくて赤道付近で膨らんでいるのは地球の自転の遠心力によるもので
す。また人工衛星の中が無重力状態になるのは地球の周囲を回転する時の遠心力が重力とつり合うためです。
私の遠心力体験を紹介しましょう。遊園地でループコースターに乗って逆さになった時、眼鏡が外れたのです。後で探すとコースターの床上に。遠心力が働いて、眼鏡が逆さになった上方の床に向かっていたのです。
遠心力に感謝しました。
今年は「世界天文年」。ガリレオが初めて望遠鏡で宇宙を観察してから400年になるのを記念し、国連が定めました。スローガンは「宇宙…解き明かすのはあなた」。
宇宙は神秘に満ちあふれ、星を見るだけで心が癒されます。晴れた夜、空を見上げてみませんか。
先日、大阪の人工衛星「まいど1号」が打ち上げに成功しました。地球を南北に回る高度約666キロの軌道上を1日約15周しています。
また、7月22日には各地で部分日食が見られ、沖縄の北のトカラ列島では皆既日食が見られます。大阪でも部分日食が見られるはず。今年は宇宙を楽しめますね。
さて望遠鏡はオランダの眼鏡屋が発明しました。レンズを2枚組み合わせると遠くの物が近くに見えたのです。それを伝え聞いたガリレオは自ら望遠鏡を作り、宇宙を観察しました。その感動を味わってみましょう。
写真は水の入ったペットボトルとコップを使った望遠鏡です。水で光が曲げられ、像が拡大されます。鮮明な像に驚かれるかも。
明けましておめでとうございます。
今年は大阪の素晴らしい技術力で作られた人工衛星「まいど1号」が打ち上げられます。しかも、ガリレオが400年前に望遠鏡で宇宙観察を始めたのを記念した世界天文年でもあります。
今年の「実験しよう」は宇宙にちなんだ実験も取り上げ、より充実した内容を目指します。どうぞよろしくお願い致します。
左の写真は水中にできたシャボン玉です。普通のシャボン玉の逆で空気の丸い膜の中に水が入っています。この水中シャボン玉を作ってみましょう。
まずコップに水を入れ、その中に台所洗剤を2、3滴入れて、泡立てないように静かに混ぜ、薄いシャボン液を作ります。ストローを液の水面から2〜3p入れて液を含ませ、上の端を指で押さえてコップの上に1pほど出し、下の写真のように斜めに傾けて指を離します。中の液が落下し、直径1pほどの水中シャボン玉ができます。
これは落下した液とコップの水の表面に洗剤の界面活性剤の膜ができ、それぞれの表面が弾かれるために起こるのです。
形が丸くなるのは、水の表面張力によって表面積が一番小さい球形になろうとするからです。
しばらく続けると水面が泡立って水中シャボン玉ができなくなります。少し休んで泡が無くなってから再度挑戦してください。
ストローの中に入れるシャボン液にインクなどを入れると色付きの水中シャボン玉が楽しめます。皆さんもぜひ試してみてください。
電波は目に見えませんが空気中を伝わって情報を運びます。その電波が確認できる簡単な実験をしてみましょう。
携帯電話は街中にたくさん設置された基地局の中の最寄りのものと電波をやりとりして通信しています。その電波を遮断してみましょう。
携帯電話をアルミホイルで隙間なく包み、その携帯に電話をかけてみると、電話がつながりません。アルミホイルによって電波が遮断されたのです。写真のように金属のザルの中に入れても電波が遮断されます。電波は金属に囲まれた内部に入れないのです。鉄筋の建物で携帯がつながりにくくなるのはそのためですね。
金属は内部に自由に動ける電子(自由電子)がたくさん存在します。電波がやって来ると自由電子が動いて電波を打ち消します。これを静電遮蔽と言います。そのため金属や金網内部に電波が入ることができません。
電波が携帯電話にやって来ているのが実感できますよ。ぜひ実験してみましょう。
秋ですね。さわやかな秋空の下、ペーパーグライダー飛ばしに挑戦
してみましょう。
飛行機には上向きの力(揚力)を発生させる主翼と、機首の上げ下げを制御する水平尾翼、左右どちらに進むかを制御する垂直尾翼の3つの翼があります。飛行機はこれらの翼によって自由に空を飛ぶことができるのです。
実際に作ってみましょう。上の図を拡大し、はがき(厚紙でも良い)にコピーして実線を切ります。胴体の下にあるのり代は互い違いに折ってのりを付け、主翼と水平尾翼の点線部に胴体を付けて、機首の○印部にクリップ2本を付けると完成です(写真)。
主翼に少しだけ山なりになるように丸みをつけます。この形が後方に下向きの空気の流れを作り、その反作用で飛行機は揚力を得ます。
機首を持って水平に押し出すように投げるとスーッと軽やかに飛んで行きますよ。
オランダのカマリン・オンネスがすべての物質の中で最も沸点の低いヘリウムの液化に成功して、7月でちょうど百年になります。今回は彼の業績を記念して、温度を下げる実験を紹介します。
輪ゴムを1本用意します。両手で持ってギュッと左右に引っ張り、輪ゴムの伸びた部分をすぐに唇の上に当ててみましょう(図)。熱くなっていますね。手の力がゴム分子の熱運動を活発化させたのです。
次にそのままスッと輪ゴムを縮めてみましょう。輪ゴムがヒヤっと冷たくなるのが感じられます。ゴム分子の熱運動のエネルギー(熱エネルギー)が縮む仕事に使われ、温度が下がったのです。
輪ゴムの伸び縮みを繰り返して、縮まった時だけ唇に当てると唇を冷やすことができます。冷蔵庫やエアコンも輪ゴムと基本的に同じ原理で温度を下げています。カマリン・オンネスも基本的に同じ原理で温度をマイナス272℃まで下げてヘリウムの液化に成功しました。
この夏は省エネの輪ゴムエアコンで涼しさを楽しんでみませんか。
私たちの目は、目の前にある物すべてを見ているのでしょうか。実は盲点と呼ばれる、見えていない所が視野の中にあります。
眼球の中で光を感じる視細胞が存在する所を網膜といいます。網膜の神経線維が集まって眼球外へと出て行く所には視細胞が存在していないので物を見ることができません。盲点はこの部分に相当します。この盲点を探す方法を紹介しましょう。
左目をつむって図の中の十字を右目で見ながら顔を遠ざけたり近付けたりすると、ある距離で赤丸が消失します。これは赤丸の映像が右目の盲点上に像を結んだために認識されないのです。右目をつむって、左目で赤丸を見ながら同じことをすると+が消失します。これも左目の盲点上に像が結ばれたために起こります。
私たちが普段、盲点の存在に気付かないのはなぜでしょう。大脳皮質の視覚野が都合の良い処理をして、左右の目の盲点の埋め合わせを行っていると考えられています。
目で見た映像は不完全ですが、脳によって修復され、正常な視野になっているのです。
淀川には全国的にも珍しいワンド(湾処)と呼ばれる構造物が見られます。写真は現在残っている城北ワンド群(ワンドが集まったもの)です。ワンドは明治の初め、淀川を蒸気船が航行できるようにと、オランダ人のデ・レーケらによって造られました。川幅を狭めて流れを速めることにより、泥などが沈殿しにくく、川底が浅くならない構造にしたのです。
またワンドは、木の枝を編んだクッションの上に石を乗せて仕切りにした「そだ」と呼ばれる技術で造られ、環境にも配慮されています。底は川の流れとつながっているので、ワンドに流水が入り、生物たちに居心地の良い住み家を提供しています。増水時にはワンドの上を水が流れ、適度に内部をリフレッシュ。ワンドは生態系を保つことにも役立つのです。
しかし、淀川が何度も大洪水に襲われたので、流れの幅が広げられ、多くのワンドが無くなってしまいました。
現在、淀川の環境が見直され、生態系を蘇らせるため、楠葉などに新たにワンドが造られ始めています。過去に生息していた天然記念物のイタセンパラなどの多くの種類の魚や貝を呼び戻そうというのです。
ぜひ、大人の人と一緒に楠葉ワンドを見に行ってみましょう。京阪「樟葉駅」から北にすぐの淀川河岸にあります。
今回は草木染め(植物染料を用いた染色法)に挑戦してみましょう。写真は、上からトマトケチャップ、緑茶、紅茶、コーヒーで木綿のハンカチを染めたものです。
まず近くの薬局やスーパーで「焼きみょうばん」を購入します。これを約40℃のお湯に溶かし(ハンカチ1枚でコップ2杯の湯に大さじ大盛り2杯の割合)、媒染(ばいせん)剤としてボールのような器に入れます。媒染剤中の金属イオンが染料を定着させます。
次に染料です。野菜や、草木など、煮ると色素が出てくるものは何でも染料になります。染料を決め、ホーローかステンレス製の鍋にコップ2杯程度の水を入れ、インスタントコーヒーや緑茶なら大さじ大盛り2杯、紅茶なら1パック、ケチャップなら大さじ5杯を入れ、20分ほど煮ます。
しっかりと色素が出たら、出がらしを取り出し、※木綿の白いハンカチを入れ、10分ほどとろ火で煮て、箸で取り出し搾った後、媒染剤に2〜3分浸します。これを取り出して水洗いし、※から繰り返します。何度も繰り返すと布が染まってきます。ある程度の濃さになったら取り出し、水洗いして乾かすと完成です。
身近なものを使って草木染めをやってみましょう。微妙な色合いが楽しめますよ。
「〜片栗粉で不思議体験〜ダイラタンシーで遊ぼう」 平成20年3月15日号
その上を歩いていると沈まないのに、止まると沈むという不思議な液体があります。最近、テレビで紹介されたので、見られた方も多いのでは?今回はこの液体の秘密に迫ります。
片栗粉を容器に入れ、水と、重さで約1対1(体積では約2対1)の割合で混ぜます。出来上がった白い塊を手で握ってみてください(写真1)。硬くて固体の感覚がします。次にそのまま指を開きます。白い塊が流れ出し、指の間から垂れていきます(写真2)。これは液体の感覚ですね。片栗粉がダイラタンシー(英語で膨れるという意味)と呼ばれる状態になったのです。
ダイラタンシーとは外から力が加わると固体、加わらないと液体の性質を持つ状態をいいます。砂浜でも同じ現象が知られていて、石川県の千里浜が有名です。この現象は形や大きさがそろった粒子が水と混ざると起こります。
外から力が加わると、粒子間の水が抜け、粒子が互いに引っ付いて固体の性質が強くなります(人が歩けるのはこのため)。力が加わらないと、粒子間が広がって水が入り、流れる液体の性質になります。片栗粉で簡単にできるダイラタンシー。皆さんもぜひ体験してみませんか。
受験シーズンですね。今回は受験生に喜んでもらえる科学マジックをご紹介します。
千円札を真ん中で二つに折ってテーブルの上に横にして立てます。その折った角に写真のように百円玉を乗せます。この状態でお札の両端をゆっくり引っ張って折り目を広げていって真っ直ぐにしてみましょう。なんと百円玉は落ちません。うまくいくコツは千円札の下側を引っ張ることです。
折り曲げた千円札と百円玉でできる三角形の上に百円玉の重心があると百円玉は落ちません(図)。三脚のイスが安定するのと同じ理屈です。千円札を広げていく時に百円玉が落ちないのは常に百円玉の重心がこの三角形の上にあると考えられます。
どうしてこのようなことが起こるのでしょう。千円札を広げていく時に、重心に最も近い三角形の辺は重心からかかる下向きの力が大きいので摩擦が大きくて滑らず、それ以外の辺が滑ります。そのため常に三角形の上に重心があることになり、三角形が引っ張られて真っ直ぐになってしまってもその線上に百円玉の重心が移動するので百円玉は落ちないのです。コツさえつかめば簡単にできます。
ぜひ挑戦してみてくださ。
私も時々出演している朝日放送の「探偵ナイト・スクープ」。名物探偵が視聴者の疑問を調べて解決していくのが面白いですね。私が最近解説したもので楽しくできる卵の実験を紹介します。
卵をろうそくの炎であぶり、表面をすすで真っ黒にして(金属製トングで卵をつかむと安全です)、水を満たした丼茶碗に入れ、上から見ます。何と卵が透けたように見え、周辺部が銀色に、中央内部には黒い黄身があるかのように見えます(写真)。どうしてこのように見えるのでしょう。
卵に付いたすすに空気の薄い層ができます。水からその空気の層に光が入る時、卵周辺部では入射角が大きいので全反射という現象が起こり、鏡のように光が反射されます(図)。そのため透けているかのように見えるのです。中央部が黒く見えるのは、光の入射角が小さくて全反射が起こらないので、すすから出た光がそのまま進んできて見えるためです。ぜひ実験してみましょう。
実はこの現象、「銀色卵」や「マジックミラーエッグ」という科学マジックで知られていました。科学は奥深いですね。
写真は空飛ぶ種として知られているアルソミトラ・マクロカルパ(森の帽子の大きな実)という熱帯の植物の種です。中央の丸い部分が種で、横に広がっている薄膜が翼の役割りをして安定して飛びます。
ウリ科のアルソミトラは高木に巻きつき数十メートルの高さに成長すると人の頭ほどある大きな実をつけます。一つの実の中に400もの種が入っていて、熟すと下に穴が開き、風が吹くと実が揺れて種が飛び出し、周辺に滑空しながら散らばっていきます。
アルソミトラの種のモデルを作って飛ばしてみましょう。
左図の種の型を横幅15p程度になるまで拡大コピーし、コピーした紙を線に沿って切ります。図の指定個所にゼムクリップを止め、ずれないようにセロテープでとめて完成です。
飛ばす時は写真のように手で後ろから持って前方水平に静かに押し出します。翼後方の両端を少し上に曲げると安定してひらひらと滑空します。紙の曲げ具合で飛び方が調整できますよ。ぜひ実験してみましょう。
アルソミトラの種は約100年前にボヘミアのエトリッヒ父子によって研究され飛行機の翼に実用化されています。
水面をすいすいと滑走するアメンボ。アメンボはその細長い足にもかかわらず、体を空中に浮かせて水上に浮くことができます。足の裏の絹毛が水をはじくため、水面から押し上げられているのです。
このアメンボの足の裏の性質によく似た身近なものにストローがあります。ストローはポリプロピレンという炭素と水素の化合物でできていて、軽くて吸水性がないので水をよくはじきます。このストローを使ってアメンボを作ってみましょう。
ストローを約10pの長さに切り、縦に8等分します。その2つをX字型に組み合わせ、図1のように交わった所に胴体部を乗せてテープで留めます。胴体部は8等分したものを図1のように先端を2つに切って前足にします。 次にX字型の足の各々を図2のような形に折り曲げて変形させます。これで完成です。
静かに水面に置いてください(写真)。本物のアメンボのように足先が水に触れているだけで体は水面から浮いています。風を送るとストローアメンボはスイスイと水面を移動します。
しかし、水に洗剤を入れると途端にストローアメンボは沈んでしまいます。水の表面張力が小さくなり、水面がストローを支えられなくなるからです。このことから、アメンボが水に浮くのは水の表面張力によるものであることが分かります。ぜひ実験してみましょう。
ブーメランはオーストラリアの原住民であるアボリジニが使っていた狩猟道具です。うまく回転させて投げると、円形の軌跡を描いて戻ってきます。アボリジニの「く」の字型のものがよく知られていますが、今回は紙パックで簡単にできる十字型に挑戦してみましょう。
1リットルの紙パックの側面にある4つの長方形のうち、1面を切り取って縦半分に切り、細長の長方形を2つ作ります(この時安全のため長方形の四隅を切り落としてください)。次にこの2枚の長方形を図のように、裏表をそろえて十字型に重ね、中央をホッチキスで止めます。図の下のように紙パックの内側が山になるように整形して出来上がりです。
これを写真のように立てて持ち、前に向けて回転させながら投げます。うまく投げると大きな円を描いて戻ってきます。
ブーメランはコマのようにいったん回転を始めると回転の慣性と呼ばれている性質により回転を続けます。また翼が山型に整形されているので、投げ出した時に風を外向きに起こします。そのため進むコースが内向きに曲がり、円運動をするのです。
X字型以外にもいろいろな形のブーメランができます。周囲の安全を十分確認して、いろいろなブーメランに挑戦してみてください。
今回は子どもたちの夏休みの宿題にピッタリの科学工作を紹介します。
水洗いに使うスポンジを図のように切り、その下にクリップを引っ掛けて付けます。これで「浮いてこい」の完成です。水をいっぱい入れたペットボトル(炭酸飲料用が良い)の中に、この「浮いてこい」を入れ、ふたをしめます。
写真のようにペットボトルを持ってぎゅっと握ってみましょう。力を入れると「浮いてこい」が下に沈みます。力をゆるめると上に浮かびます(※)。握り方を調整すると「浮いてこい」を水中で静止させることも可能です。
なぜこのようなことができるのでしょうか?
物体を液体の中に入れると液体から浮力を受けます。浮力の大きさは浮き輪から分かるように液体を押しのける体積が大きくなるほど大きくなります。これを「アルキメデスの原理」と呼びます。
ペットボトルを握る力を強くすると、水圧が大きくなり、スポンジの中の泡が小さくなります。そのため浮力が減って「浮いてこい」は沈みます。握る力を弱めると圧力が下がり、スポンジの中の泡が大きくなって浮力が増え、「浮いてこい」が浮かぶのです。
スポンジの切り方次第でいろいろな形の「浮いてこい」ができます。ぜひ作って楽しんでみて下さい。※うまく浮き沈みしない時は割りばしでスポンジを触って泡の量を調整してみてください。
シャボン玉の空中停止(ホバリング)に挑戦鏡 平成19年7月15日号
今回はシャボン玉のホバリングに挑戦してみましょう。
まず水槽またはバケツを用意し、中に深さ約3センチほどの水をはり、発泡入浴剤(固形のバブまたは類似のもの)を2個ほど入れます。ぶくぶくと勢いよく泡が出てきます。泡の中のガスは二酸化炭素です。二酸化炭素は無色無臭なので存在を感じることができませんが、5分ぐらい発泡が続くと金魚鉢ほどの水槽(またはバケツ)にほぼいっぱいたまります。近くで風を起こすと二酸化炭素が散るので注意してください。
5分後に二酸化炭素がたまったら、シャボン玉(※)を水槽の上で膨らませて静かに入れてみましょう。
シャボン玉が水槽の中で空中停止します(写真)。
二酸化炭素は空気より約1・5倍も重いので二酸化炭素にシャボン玉が浮くのです。
しばらく観察するとシャボン玉が少しずつ大きくなっていくのが分かります。二酸化炭素は水に溶けやすいのでシャボン膜の水に吸収されて内部にも放出され、シャボン玉が大きくなるのです。ぜひやってみましょう。※シャボン液は水10に対してPVA(液体洗濯糊)5、合成洗剤(界面活性剤40%以上)2の割合で混ぜて作ります。ストローを下向きにして静かに膨らませると大きなシャボン玉ができますよ。
今回は光の実験にチャレンジです。紙コップ2つと、薄い半透明のポリ袋を用意します。
まず一つの紙コップの底の内側をマジックで黒く塗り、つまようじで穴を開けます(図A)。次にもう一つの紙コップの底を切り抜き、口側に半透明のポリ袋を切って、しわにならないように外側からテープで貼り付けます(図B)。
Bの上にAをかぶせると完成です(図C)。
図Cのようにして、いろいろな物を見てみましょう(室内の暗所で電球や外の景色を見ると像がはっきり見えます)。
つまようじで開けた穴(ピンホール)から光が出入りするので、図Cのように上下左右逆さの像ができます。BをAから出し入れすると、光の到達する距離が変わり、像の大きさが変化します。
Aの穴を増やしてみましょう。穴の数だけ像ができます。図DのようにAの底に穴を開け、Bを固定してAだけ回すと万華鏡みたいでとても奇麗です。ぜひ作ってみましょう。
科学をやっていると予想外の結果に驚かされることが多々あります。今回はそんな驚きの実験を紹介します。
スーパーのポリ袋と先を削った鉛筆、バケツを用意します。ポリ袋に水を3分の1ほど入れ、袋の口を絞って手で持ち、バケツの上でぶら下げます。これで準備OK。![]()
ポリ袋の水の入った所を鉛筆でズバッと刺します。さあ、どうなるでしょうか?
開いた穴から水がボトボトこぼれて辺りが水浸しになってしまうのでしょうか。ところが手を放しても鉛筆がそのまま止まっていて、水はもれません。それでは2本目はどうでしょう?これも大丈夫ですね。何本までいけるか、どんどん刺してみましょう(写真)。数人で順番交替でやると黒ひげ危機一髪ゲームのようなスリルが味わえます。皆さんもぜひやってみましょう。
しょう。
では、どうして水が漏れないのでしょうか?ポリ袋に鉛筆が刺さる時、摩擦熱が生じ、ポリ袋の温度が上がります。ポリ袋の素材のポリエチレンは温度が上がると縮む性質があります。そのため穴の部分のポリエチレンが摩擦熱でギュッと縮まってすき間をふさぎ、水が漏れなかったのです。一見弱そうなポリ袋でも穴には強い。何でも外見だけで判断してはいけませんね。
写真のように5円玉を長、中、短の長さの糸でくくり、割りばしにぶら下げて、振り子を作ります。
ここで実験です。5円玉を触らずに真ん中の振り子だけ、大きく揺らしてみてください。割りばしを揺らすとすべての5円玉が動き、真ん中だけ動かすことはできそうにありません。
そこで、誰にでもできる方法をお教えしましょう。
まず、振り子の揺れ方を観察してみましょう。長い振り子はゆっくり、短い振り子は速く動きます。よく見ると各々一定の周期(振動の1回の往復にかかる時間のこと)で動いているのが分かりますね。これをその振り子の「固有振動」といいます。それで真ん中の振り子の揺れ方と同じ周期で頭を前後に動かしてみてください。真ん中の振り子だけが動き、続けると揺れが次第に大きくなります。このことから固有振動と同じ揺れ方の振動が伝わると大きな揺れになることが分かります。この現象を「共振」と呼びます。真ん中の固有振動と同じ周期でわずかに揺らすと真ん中だけ揺らせます。ぜひやってみてください。
最近の高層建築では、速い動きの地震と共振して大きな被害にならないよう、固有振動がゆっくりとした揺れ方をする柔構造が取り入れられています。
最近、骨導音(骨を伝わってくる音)を利用した携帯電話が注目されています。聴覚に障害がある人でも電話が使えるようになったのです。
私たちが普段聞く音には、気導音と呼ばれる空気を伝わって耳から入ってくるものと、骨導音と呼ばれる体内の骨を伝わってくるものの2種類があります。骨導音は聴覚の神経のある内耳に直接伝わります。内耳が正常であれば聴覚に障害があっても骨導音が伝わると聞くことができます。骨導音は普通のマイクでは録音できません。そのため自分の声を録音再生すると気導音しか聞こえないので別人の声のように感じます。
骨導音を聞く実験を幾つかやってみましょう。
まず両耳を手でふさいで声を出してみましょう。自分の声の骨導音が聞こえます。次に片手で耳をふさぎ、もう片方の手の指で軽くおでこをたたきます。頭の中からトントンという音が聞こえますね。これも骨導音です。
音楽を骨導音で聞いてみましょう。ヘッドホンを耳ではなく、頭に着けて両耳をしっかりと手でふさぎます。振動をはっきり骨に伝えるために音楽を大きな音で再生してみましょう。頭の中で音楽が鳴っていますね。ヘッドホンの振動が骨導音となって聞こえてきたのです。ぜひ実験してみましょう。
昨年北海道佐呂間町を襲った竜巻は最大瞬間風速が時速300qもありました。竜巻は猛烈な速さの風が吹きます。今回はペットボトルを使って竜巻の秘密に迫ってみましょう。
同じ大きさの空のペットボトル(口の部分が透明な0・5の炭酸飲料のものが良い)を2つ用意し、片方に水を8分目ほど入れます。ペットボトルの口にゼリー状の瞬間接着剤を塗り、その上からもう一つを逆さにして口と口を付けます。接合部の周囲に瞬間接着剤を塗って乾かし、接合部をビニールテープで10回ほど巻いて完成です。
さあ実験です。接合部分を持って、逆さにし、ぐるぐる回して止め、観察してみましょう。中央に竜巻状の渦が生じ、水がすべて下に落ちるまで続きます。これは水が遠心力でペットボトルの側面に偏り、中央部に空気の管が生じて水との入れ替わりがスムーズになるからなのです。水が速く回転するのはスケートでスピンをする時に腕を縮めると回転が速くなるのと同じ理由によります。
本物の竜巻は積乱雲(かみなり雲)や積雲の下の上昇気流が生じている所で起こるので、上向きの動きになります。ペットボトルの中の竜巻と本当の竜巻の原理はほぼ同じで、空気が竜巻の中心に吸い込まれて近付き、風速が速くなるのです。ぜひ「竜巻」を実験してみましょう。
クリスマスの楽しみと言えばケーキ。日本ではバースデーケーキと同様にクリスマスケーキにもろうそくを立てる人が多いようです。今回はその残ったろうそくで実験してみましょう。
ろうそくのろうは主にパラフィンという石油から採れる固体が使われており、47〜65℃という低温で溶けて液体になります。この性質を使って要らなくなったろうそくをカップろうそくにしてみましょう。
お弁当に使うアルミカップの中に使用済みのろうそくを数本入れます(混ぜるろうそくの色によって仕上がりの色が違うので想像してみるのも楽しいですね)。これをオーブントースターに入れ、2〜3分加熱します。中のろうが溶け出して、すべて液体になったら取り出します。芯がたくさんある場合は一本だけを残して取り除きます。残した芯は片方の端を曲げ、ろうから少し出しておきます。これらの作業はろうが熱いので割り箸で行ってください。しばらくすると冷えて固まり、アルミカップろうそくの完成です。
これを陶器の皿に乗せて芯に火をつけるとゆらゆらと奇麗な炎が楽しめます(テーブルの上に直接置くと焦げるので必ずお皿の上で)。
見ているとろうが溶けて芯に吸い上げられ、ガス化し、炎となって燃焼している事が分かります。
注意として、子どもだけでは絶対にしないようにし、火の取り扱いには十分気を付けてください。それではよいお年をお迎えください。
朝食でおなじみの食パン。トーストにして食べると、表面はカリッと香ばしく、中がふわふわで柔らかい、そんな食感がいいですね。
食パンの内部は水分が保たれながらも加熱されるので、柔らかく甘味のあるおいしいα(アルファ)でんぷんになります。同じでんぷんでも、温かいご飯のように柔らかくなったものをαでんぷん、冷やご飯や乾燥したパンのように固くなったものをβ(ベータ)でんぷんといいます。
パンはでんぷんを主成分とする炭水化物(炭素と水の化合物)の小麦粉で作られています。そのため、加熱すると表面の水分が飛ばされて炭素だけになり(炭化)、表面がカリッと固く、薄茶色(焼きすぎると真っ黒)になります。
このようにでんぷんが加熱されると炭化する現象を利用して、トーストに文字や絵を描いてみましょう。
清潔な筆(割り箸でも良い)を水につけ、食パンの表面に文字や絵を描きます。これをオーブントースターなどで色が付くまで焼いてみると、水で描いた文字や絵がトーストの表面に白くくっきりと現れます(写真)。 これは、水を塗った部分の温度が上がらず、炭化されなかったため、白いまま残ったからなのです。
卵を溶いて水の代わりに使うと、塗った所が薄い黄色の卵焼きになります。またジュースなどを塗っても色や味が楽しめますね。
いろいろなバリエーションのあるトーストを作ると楽しい朝食になるのではないでしょうか。ぜひ実験してみてください。
漁洗鍋(ぎょせんなべ)をやってみよう 平成18年10月15日号
中国伝来の魚洗鍋(春雷驚龍鍋と呼ばれる事も)という不思議なお鍋があります。青銅製の鍋を手でこすると「龍の鳴き声」がして水が吹き上がり、その高さで運勢が分かるという代物。神戸の南京街の入口にあるのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
「魚洗鍋」現象を普通の鍋でも起こしてみましょう。テーブルの上にぬれタオルを敷いて、その上に縁の平らな鍋(ステンレス製のサラダボウルでも良い)を置き、水を8分目ほど入れます。せっけんで手をよく洗って油分を取り、鍋の縁にぬれた両手のひらを各々当て、同時にゆっくりこすります。何回かやっているうちに引っ掛かるような感触が出てくると、低い音が出て鍋の中の水にさざ波が現れます。
次第に加える力を強めていくと、水しぶきが上がり始め、高さ10センチ以上にも達します。
なぜこのような事が起こるのでしょう。手のひらがバイオリンの弓のような役目をして鍋に振動を与え、その振動によって音が出ます。それと同時に鍋の壁に定常波と呼ばれる波が起こり、よく振動する場所(腹)とほとんど振動しない場所(節)が等間隔に生じます。水しぶきが上がる場所は腹が水をたたいている所で、等間隔に4か所、腹が当たるのが分かります。
大阪弁の「ぎょうさん」は、魚洗鍋に飛び交う多量の水滴のさまに由来しているという説があります。
皆さんもぜひ魚洗鍋に挑戦してください。「運」が開けるかも知れませんよ。
先月、チェコで開かれた国際天文学連合の総会で新しい惑星の定義が採択され、冥王星は「矮(わい・・小さいという意味)惑星」と呼ばれる新しい天体のジャンルに入れられました。
「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」でなじんだ惑星の名前から冥王星が外されるのは寂しいですが、矮惑星には米観測グループが昨年発見した冥王星の外側にある天体や火星と木星の間にある最大の小惑星などがあり、冥王星が新しい仲間と一緒になる事を考えると、それも楽しいかと思います。
さて、今回は宇宙でしか体験できないと思われている無重力状態の実験をしてみましょう。お弁当によく使われるタレビン(ソースなどの入れ物)に少しの空気を残して水を入れ、ふたをします。これを図Aのように横にして目の前にかざし、よく見ながらその場でジャンプしてみましょう。水より軽いはずの空気が図Bのように真ん丸の球形になり、タレビンの中央部に移動しますね。これは内部の軽重がなくなって水の表面張力の影響だけが現れたためと考えられます。つまりタレビンの内部が無重力状態になったのです。落下運動すると物体内部にあるものは軽重に関係なく同じように落下運動します。そのため物体内部は軽重の差がなくなる、つまり無重力状態になるのです。
タレビンと同様に私たちの体の中もジャンプした時に、実は無重力状態になっています。同じ理由で、遊園地のフリーフォールで無重力を体験できますよ。
「太陽の季節」がやって来ましたね。今回は暑さに負けずに、光の実験に挑戦してみましょう。
CD(コンパクトディスク)の裏側(銀色の面)に太陽(懐中電灯でもよい)の光を当て、反射した光を壁に映してみましょう。白い円形の反射光の外側に虹のような七色の光の輪が現れます。
CDの内部にあるアルミの薄膜には渦巻き状に幅1o当たり約600本の細い溝が刻まれています。光が溝の縁に当たると反射して周辺に広がり、重なり合って、強まったり弱まったりします(これを干渉という)。この時、縁から反射する角度により強め合う波長(色)が異なるので七色の光が現れるのです。この事から細く並んだ溝に光が当たると色が現れる事が分かりましたね。
この現象を応用して光に含まれている色が見える板を作ってみましょう。透明なプラスチックの板(プラコップまたは、ペットボトルを切って板状にしたものでよい)の表面を細かい目(#2000)のサンドペーパーで軽くなでるように真っすぐ1回こすります。板を目の近くに当てて懐中電灯の光をのぞいてみましょう。細い溝を通して、光に含まれている虹色を見る事ができます。微妙な七色の光を見付けた時の驚きは格別です。ぜひやってみましょう。
※この板で太陽は見ないでください。
夏休みは各地の実験教室に奮って参加しましょう。
今回は熱湯を霧にして吹きかけると冷たくなる科学マジックを紹介します。
霧吹きに熱いお湯を入れ、図のように、手を50p程離して霧を吹きかけます。何と霧が冷たく感じます(霧吹きと手を近付け過ぎると霧が熱いので注意してください)。
実際に測定してみたところ、85℃のお湯が室温25℃で20℃まで下がります。どうしてそんなに温度が下がるのでしょう。
水は蒸発する時に蒸発熱(水の蒸発熱は1g当たり540カロリーで非常に大きい)を周囲や自分自身から奪います。お湯が霧になると空気に触れる表面積が増え(大きさを千分の1にして、始めと同じ体積の小さな球の集まりにすると表面積が約千倍に増える)、蒸発量が増えます。また霧が空気中に吹き出される事も、触れる空気の量が増え、蒸発を促進させます。これらにより霧から大量の蒸発熱が奪われ、霧の温度が急激に下がったのです。
この事はシャワーでも確認できます。温水シャワーに手を入れ上下に動かすと、霧ほどではありませんが、上の温度は温かくても足元の方の温度が下がっているのが確認できます。
水の蒸発熱による冷却は「打ち水」として利用されてきましたし、葉からの蒸散で周囲を涼しくするため、植物は生活の周辺に植られてきました。この夏、環境に優しい水の蒸発熱を利用して涼しく過ごしませんか。
沖縄の民芸品に「教訓茶碗」という湯飲みがあります。 水をたくさん入れると中の水がすべて漏れ出てしまい、欲張るとすべてを失うという「教訓!? 」が体験できます。
簡単な教訓茶碗を作ってみましょう。蛇腹のあるストローを2本用意し、片方にもう1本を差し込んでテープで留め1本にします。次にプラスチックコップの縁を図1のようにストローが差し込めるようにはさみで切り取ります。
図2のようにストローを、蛇腹が折れてつぶれないようにコップの横に差し込み、テープで内側2か所と外側1か所を固定します。内部の上側は水が漏れないように留めてください。これで出来上がりです。
実験してみましょう。水を少しずつ入れていくと(水面1の状態)水は漏れずにたまっていきます。しかし水面がストローの蛇腹より高くなると(水面2)、ストローの内部に入っていた水が底から出始めます。水を止めても出続け、ストローの中を水が昇るのでとても不思議です。
これは「サイフォンの原理」によるもので、 サイフォンとは大気圧を利用して液体をある地点から、それより低い目的地まで出発点より高い所を通って導く管の事を言い、教訓茶碗はこの原理を利用して水を最後の一滴まで外に出し続けるのです。皆さんもぜひ体験してみませんか。
今回はオブラートを使った実験を紹介します。
オブラートはジャガイモなどのでんぷんで作られ、ラテン語のオブラトゥス(だ円形)が語源です。厚さは20ミクロン(1ミクロンは1000分の1o)と薄く、粉薬やあめを包むのに用いられ、薬局で市販されています。
手のひらにオブラートを1枚乗せてみましょう。オブラートがまるで生き物のようにゆらゆらと動き出します。フライパンで加熱しても動かないのですが、皿に水を多めに入れ、もち焼き網を上に置き、その上にオブラートを乗せてみると、手のひらと同様に動き出します。なぜそのような事が起こるのでしょうか?
実は、オブラートが動く原因は水蒸気にあったのです。手のひらにはエックリン汗腺という汗を多く分泌する器官があり、オブラートを乗せると汗の水蒸気を吸収して膨張し、動き出すのです。目には見えないですが、手のひらからは絶えず水蒸気が出ている事が分かりますね。
では、植物の葉ではどうでしょう?葉の上にオブラートを乗せると、葉の表と裏ではオブラートの動きが異なります。それは、よく動く側に水蒸気が出てくる気孔がたくさんあるからなのです。生物は水蒸気を出す事で温度などの調節を行っているのです。皆さんもぜひ実験してみてください。
前回の春霞に続き、今回も質問の多い「なぜ空が青く見えるのか?」を考えます。
初めに光の色について知っておきましょう。光は電磁波と呼ばれる波の一種で、私たちはその波長(図を参照)を色として感じます。波長の最も長い光は赤で、短くなるにつれて、橙、黄、緑、青、紫に見えます。また太陽光のようにこれらをすべて含んでいる光は白色に見えます。
私たちが空と呼んでいるのは大気(地球を覆う高さ約100qの空気の層)の事を指します。大気は窒素と酸素が主成分で、これらは約10億分の1mのとても小さな粒子(分子)からできています。
前回お伝えしたように、小さな粒子程、短い波長の青い光を散乱させる性質があります。そのため太陽光が大気中の窒素や酸素の分子に当たると青い光が散乱し、大気全体から青い光が出てくるので空が青く見えるのです(レイリー散乱)。
また夕方になると太陽光は大気中を斜めに入るようになり、昼間に比べて非常に長い距離を進むので、青い光が散乱し尽くされて、長い波長の赤い光だけが地上に届きます。夕焼けが赤く見えるのはそのためです。
これらを確認する実験をしてみましょう。透明のプラコップを5、6個用意し、その中に水を入れ、牛乳を1、2滴垂らして混ぜます。左上の図の様にコップを一列に並べて周囲を暗くし、横から太陽の代わりに懐中電灯で照らします。牛乳のカゼインや脂肪などの小さな粒子が大気の分子と同じ作用をして、懐中電灯に近いコップが青く、遠いコップが赤く色付きます。
懐中電灯の光を反対の端のコップから見てましょう。コップの中にきれいな夕焼けが必ず見えるはずですよ。
古今集にある「春霞 色の千ぐさに 見えつるは たなびく山の 花のかげかも」(春霞の色がさまざまに見えるのは山に咲く花々の色が映っているのかな)とは、三十六歌仙の一人、藤原興風(おきかぜ)の歌。確かに春霞は状況により青や赤に薄く色付いて見えます。
春霞の原因には主に黄砂が挙げられます。黄砂は春季(3月〜5月ごろ)にゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、黄土地帯で強風により吹き上げられた多量の砂ぼこりで、季節風に運ばれ日本や韓国、中国などに降下します。日本の黄砂の大部分は0.4〜12ミクロン(1ミクロンは1oの千分の1)の大きさです。小さな粒子程遠くに飛び、ハワイでも観測されています。
この大きさの粒子はコロイド粒子と呼ばれていて光を散乱させる性質があります。粒子が小さいと青い光をよく散乱させるので青く、大きくなるにつれてすべての色の光を散乱させるので白く見えます。この性質のため春霞が薄く色付いて見えるのです。実験してみましょう。
ペットボトルに水をいっぱい入れ、そこに牛乳を小さじ半分ぐらい入れてふたをして混ぜ、ペットボトルの底から懐中電灯の光を当ててみましょう。底の方が青く、上の方が薄赤くなるのが分かります。牛乳はたんぱく質カゼインや脂肪のコロイド粒子を含んでいて光に対して黄砂と同じ働きをします。懐中電灯に近い場所では青色の光を散乱させるので青く色付き、遠い場所では散乱されにくい赤い光が残るため赤く色付きます。実はこの実験から空が青色に見える事や夕日が赤くなる事も分かります。その理由については次回に紹介したいと思います。
60年程前、中国の古書に「立春に卵が立つ」とあるのが発見され、幸運を招く不思議な現象として世界中に報道されました。ところがその後、いつでも卵が立つ事が分かり、この発見は忘れられてしまったようです。
実は、卵は平らな所だと誰でもそのまま立てる事ができるのです。では、なぜ回転楕円(だえん)体型の卵が立つのでしょうか。解明してみましょう。
卵の表面をよく見ると、小さな凸凹があるのが分かりますね。実はこの凸の部分が卵を支える三脚になるのです。隣り合う3つの凸の頂点が作る三角形の上に卵の重心がくると、卵は転ばずに立ち続けます。ちょうどいすの足が3本あると安定するのと同じ理由です。
3つの凸の頂点間の距離は1oくらいなので立たせるには微妙な調節が必要です。1/10oくらいの精密さで卵の頭を少しずつ動かしてはそっと指を離してみてください。3〜5分程で大抵うまく立てられます。
「立春に卵が立つ」不思議を見破った科学者の中谷宇吉郎博士(雪の結晶の研究で知られている)は「問題は世界中の人間がコロンブス以前の時代から今日までどうして気が付かなかったかという点にある。それは5分間ぐらい費やして卵を立ててみようとした人が今まで誰もいなかったからである」と指摘しています。
卵立てに限らず、最初からできないと決め付けないで5分くらいかけて常識を覆すような事に挑戦してみると、世界で初めての現象が楽しめるかも知れませんね。実験してみましょう。
忘年会やクリスマスパーティーの季節の到来ですね。今回は隠し芸で人気の2つの風船実験を紹介します。
最初は「割れない風船」。風船に竹串を刺します。ところが竹串が刺さっても風船はそのまま。「どうして!?」見ている人もする人も抜群にスリリングな実験です。 刺す場所は風船の「へそ」と呼ばれるゴムが厚く色が濃くなっている所です。ゴムが厚い部分は縮まろうとする力が強いので穴が開いても割れません。
口の部分もゴムが厚いので、その部分とへそをバーベキュー用の長い串で貫通させると風船串刺しの出来上がり。1つ刺せた人は2つ、3つと挑戦してみてくださ。ただし割れると弾かれて危ないので串をしっかり握ってくださいね。
次は「風船釣り」。風船を2つ手に持ち、図のように小さな円を描きながら回転させてすり合わせます。しばらくすると下の風船が上の風船に付いてぶら下がります。 これはゴムに静電気が発生したことによって引っ付いたのです。化学的に不安定なゴムは、同じゴム同士でも摩擦すると静電気が起こりやすくなるからです。なお、お鍋などから水蒸気がたくさん出ているそばでは静電気が起こりにくいので要注意です。
風船実験は演出すると楽しいマジックになります。ぜひやってみてください。
「イソジンとミカン」で科学マジック 平成17年11月15日号
うがい薬のイソジンをコップに入れ、水で薄めてみかんの絞り汁を入れます。何と今まで茶色だったイソジン溶液が見る見る透明に。まさに科学マジックです。イソジンはポピドンヨードという茶色のヨウ素の化合物が主成分の液体。みかんに含まれているビタミンC(アスコルビン酸)がヨウ素と化学反応(注1)してヨウ素を透明にしたのです。
イソジンを使ってビタミンCを含む食材を調べてみましょう。柑橘類以外にも多くの果実や野菜にビタミンCが含まれていることが分かります(固形の物は下ろしてやってみましょう)。
ドリンク剤にビタミンCが含まれているかどうかも確認できますよ。
みかんにはいろいろな成分が含まれています。表皮にあるリモネンという油は優れた溶媒(いろいろな成分を溶かす液)として発泡スチロールのリサイクルに使われています。マジックインキの色素も光っている側の表皮をこするだけで溶かすので、落書きの掃除には持って来いですよ。
注1
酸化還元反応と呼ばれる反応で、ヨウ素(茶色)は還元されヨウ化水素(透明)に、ビタミンCは酸化され、ディハイドロアスコルビン酸になります。
澄んだ秋の夜空に美しく輝く星。この星を昼間に見ることはできないですよね。では、昼間は星の光はどうなっているの?実は、星の光は昼間でも地上に届いているのですが、空が明るいために肉眼では判別することができないのです。それを確かめる実験をしてみましょう。
黒い紙につまようじで北斗七星の穴を開けます。その上に青い紙(折り紙がよい)を乗せて上から見てみましょう。何にも見えませんね。これが昼間の状態で、穴から出てくる光(星の光)より、青い紙(青空の光)が明るくて星が見えないのです。
次に筒状に丸めた紙を重ねた青い紙の上に当ててのぞいてみましょう。今度は星座がはっきりと見えます。これが夜の状態で、筒の内部にできた陰が青い紙の光を弱めるため(青空の光がない状態)、下にある星座の穴から出る光が見えたのです。筒状の望遠鏡は青空の光をある程度遮ることができるので、明るい星だと昼間でも見ることができます。
普段何気なく使っているテレビのリモコン。ボタンを押すとチャンネルが変わるのは実に不思議ですね。リモコンから目には見えない何かが出ているように思われますが、一体何が出ているのでしょう。
リモコンを携帯電話の写メールモードで見てみましょう。リモコンのスイッチを押すとピカピカと光が点滅している所があるのが分かります。この光は目に見えない赤外線と呼ばれる光の一種で、多くのリモコンに使われています。
では、なぜ目に見えない赤外線が写るのでしょうか。携帯電話のカメラは光を電気信号に変えて(この部分を※CCDという)画像を映し出しますが、CCDは反応する幅が広く、目に見えない紫外線や赤外線にも反応します。そのためリモコンの出す赤外線が画面に映し出されたのです。デジカメやビデオカメラでも同様のことができます。
リモコンと携帯の間にコーラの入ったペットボトル(ラベルをはがしておく)を入れてみましょう。赤外線の点滅をコーラを通して見ることができます。赤外線は目に見える光より散乱されにくい性質があります。そのためコーラに溶けている微粒子に邪魔されず、すり抜けて出てきます。
コーラは赤外線の目で見ると「透明」なのですね。ぜひ実験してみてください。
※CCDはアインシュタインが明らかにした光電効果(金属に光が当たると電子が放出される現象)を応用しています。
暑い毎日が続きますね。今回は、わずか1分間でシャーベットを作る実験です。
アイスクリームが作られ始めたのは冷凍機の無い時代だったことは意外と知られていません。16世紀のイタリアで硝石という寒剤(水に溶かすと0℃以下に温度が下がる物質)が発見され、メディチ家の娘がアンリ2世に嫁ぐ際に連れて行ったコックによってフランスに伝わりました。硝石は現在、たたくと冷える冷却パックなどに使われています。 今回は、硝石と水の代わりに食塩と氷でシャーベットを作ってみましょう。
ボールにたくさんの氷を入れ、氷の重さ3に対して1の割合で食塩を加え、混ぜます。次に、アルミホイルをカップ状にして少量のジュースを入れ、こぼれないように口を絞った物をたくさん用意します。ボールの中にそれを入れ、1分ほど全体をかき混ぜ取り出すと、アルミホイルの中のジュースが冷えて固まり、シャーベットになっています。
これは、ボールの中の食塩が氷の表面のわずかな水に溶ける時にエネルギーが使われ、温度が下がるからなのです。このエネルギーを「溶解熱」といいます。
同時に食塩が水に溶けると0℃以下でも溶けた食塩に邪魔されて水が氷になりにくくなり水の状態を保ちます。これを「凝固点降下」といいます。
氷と食塩の重さの比を3対1にすると溶解熱と凝固点降下がうまく作用して、温度が最低マイナス21℃まで一気に下がります。しかもこの実験では、熱が速く伝わる金属のアルミホイルで包んだので、わずかな時間でシャーベットを作ることができたのです。これを応用すると飲み物などを短い時間で冷やすことができますよ。
今回は、夏休みの自由研究にお勧めの実験です。
まず、ティッシュでストローをキュッキュッと何度もこすります。これを蛇口からごく細く出した水に近付けてみましょう。すると、水がグニャリと曲がってストローに寄ってきます。次に、倒した空き缶に紙でこすったストローを近付けてみると、空き缶がストローに引き寄せられてコロコロと転がり出します。最後に、コップに氷を2個入れて、水をぎりぎりまで注ぎ、同じく紙でこすったストローを近付けると、氷が連なって寄ってきます。なぜでしょう?
これは、ポリプロピレンという材質でできているストローをティッシュでこすると、約3千ボルトの(―)の静電気が発生するため、水や缶、氷の内部にある電子が反応し、ストローに近い側に(+)の電気が生じて引き寄せられるからなのです。
今度は、ストローを動かす実験です。紙コップの底に押しピンで穴を開け、つまようじを差し込みます。ストローの重心に2ミリほどの穴を開け、つまようじの上に乗せると実験装置のでき上がり(図1)。ストローに静電気を起こし、家庭にあるいろいろな物を近付けてみましょう。果物や野菜を近付けても、ストローがクルクル回転して面白いですよ。
自由研究にお勧めの本を紹介します。『大人もはまる週末オモシロ実験』(講談社のブルーバックス・7月20日発売予定)。今回は、その中で私が執筆した実験を抜粋しました。
シャボン玉で遊ぼう! 平成17年6月15日号
湿度の高い梅雨の時期は水が蒸発しにくいのでシャボン玉遊びにぴったりです。いろいろ工夫して、手品のようなシャボン玉を作ってみませんか?さぁ、おもしろシャボン玉作りに挑戦! まずシャボン液を作ります。水10に対してPVA(液体洗濯糊)5、合成洗剤(界面活性剤40%以上)2の割合で混ぜます。(図1)
水は表面張力(水滴や水面を丸くする力)が強く、膜が出来てもすぐに壊れてしまいます。それに対し洗剤は、水の表面張力を程よく弱める作用があるため、膜が出来てシャボン玉が作れるのです。PVAはシャボン膜を丈夫にするために入れます。
ストローをシャボン液につけて強く吹くと小さくてたくさんのシャボン玉が出来ます。ストローを下向きにしてゆっくり吹くと大きなシャボン玉が出来ます。
シャボン玉が丸くなるのはシャボン膜が縮まろうとして表面積が一番小さな形の球形になるためです。
ストローの代わりに針金のハンガーを伸ばしたもので輪を作り、シャボン液を入れた皿の上につけて静かに上げ、図2のように横に動かすと大きなシャボン玉を作ることができます。図3のようにすると小さなシャボン玉を大きなシャボン玉で包んで二重シャボン玉を作ることもできます。ぜひ挑戦してみてください。
紙飛行リングで 回転の秘密を探ろう! 平成17年5月15日号
地球ができて46億年。その間地球は、一日一回転する自転を続けてきました。コマも、一度回り始めると摩擦がなければずっと回転し続けます。このように回転する物体には同じ回転を続けようとする性質があり、これを「角運動量保存の法則」といいます。
自転車やバイクの車輪も、同じ回転をし続けようとするため、回転して安定します。この性質を使って紙飛行リングを作ってみましょう。A4の紙を横にして図1のように約1センチの幅で下端から平行に折り込んでいき、残り約2〜3センチの所で折るのをやめます。次に、折った方を内側にして曲げ、端の折り込んだ所に重ね合わせて差し込み、リング状にしてテープで止めます。最後に手で形を整えてきれいな円にします(図2)。
紙飛行リングの、折った方を前にして図3のように持ち、ボールを投げる要領で投げます。紙飛行リングは「角運動量保存の法則」に従って回転を続けるので、姿勢を保ちながらまっすぐ飛んでいきます。これは、リングの中に前方から空気が入ると、紙飛行リングが空気に支えられるため、落ちずにまっすぐ進むことができるからなのです。折り残しが多いほど空気の影響が大きくなり複雑な動きをします。いろんな長さにして実験してみましょう。
今回は食べ物で実験をしてみましょう。
まずフライパンにコップ8分目ほどの水を入れ、火にかけ沸騰させます。そこに中華そばを入れて軽くほぐし、麺が軟らかくなったところでカレー粉とターメリックをお好みの量 だけかけて混ぜます。すると麺の色が真っ赤になります。中華そばは小麦粉に鶏卵、塩、それに草の灰の上澄み液であるかん水で作られています。かん水はカリウムを含むので、アルカリ性になっています。
またカレー粉をには多くの香辛料が使われ、その中のターメリックという香辛料にクルクミンという黄色の色素が含まれています。 クルクミンはアルカリ性で赤く変わる性質があり、カレー粉を中華そばにかけると赤くなったのです。ターメリックをかけたのは色変わりを鮮やかにするためです。
真っ赤なカレー焼きそばにウスターソースをかけてみましょう。かかったところが黄色になります。全体が黄色になるまでかけます。
ウスターソースに含まれる食酢は酸性でアルカリ性のかん水と中和反応を起こし中性になり、クルクミンが元の黄色になったのです。
アルカリ性はタンパク質を壊す性質があるので体によくありませんが、ソースをかけると中性になり安全な食べ物になります。 最後に別に炒めた野菜やお肉と一緒に混ぜるとカレーソース焼きそばの出来上がりです。仕上げに目玉 焼きを上に乗せるとおいしくいただけます。ぜひ、お試しください。
トイレットペーパーでリサイクル紙作り 平成17年3月15日号
紙を手で千切って切れた所を見てみましょう。小さな毛のようなセルロースと呼ばれる繊維がたくさん出ているのが見えます。セルロースの繊維は植物にたくさん含まれていて、この繊維を水の中でばらばらにして漉(す)いて乾燥させて作ったものが紙なのです。紙は漉く時に繊維が複雑に絡み合い、互いに引っ付くので破れにくく丈夫です。ところが紙は水につけてかき混ぜると繊維がばらばらになり、これを再び漉いて乾燥させると紙に再生されるので、紙は何度もリサイクルすることができます。トイレットペーパーは水につかるだけで繊維がばらばらになるので簡単にリサイクル体験をすることができます。
〈作り方〉
1.トイレットペーパーを50センチほど切って細かく千切り、水を約半分入れた丼鉢に入れます。この時、でんぷんのりを少量 入れると、繊維が結び付くので破れにくい紙になります。
2.次に割り箸で約10分間よくかき混ぜ、その液を細かい目の金網のざるに移します。
3.水をよく切った後、新聞紙の上に数ミリ程度の厚さで均質に広げます。
4. 新聞紙を上からもかぶせ水を吸い取らせ、水気が無くなるまで新聞紙を変え、最後にアイロンをかけて乾燥させると完成です。 うまく作ると名刺にもなりますよ。さあ、実験しましょう。
太陽は空の高い所にあると小さく見え、太陽の周りに建物や山などがあったり、地平線に近いと大きく見えますね。同じ太陽ですから同じ大きさのはずです。どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。それを確かめる実験をしてみましょう。
人差し指を親指の方に曲げて小さな輪を作ります。それを片方の目の前に持ってきて両目で地平線近くの太陽を見ます。何もしていない方の目には太陽が大きく見え、人差し指の輪の中から見る太陽は小さく見えます。大きさの違う太陽が 同時に見えるので、不思議な感じがします。指の輪を通して見ると太陽の周りの景色は見えません。何もしていない方の太陽の周りにはいろいろな物が見えます。同じ大きさの物でも周りに何も見えないと小さく見えることが分かります。このことを確認する実験をやってみましょう。景色か模様が印刷されている紙とそれとほぼ同じ大きさの白い紙を用意します。その上に同じ大きさのペットボトルのふたを各々置きます。同じ大きさのふたのはずなのに模様のある紙に置いた方は大きく、白い紙に置いた方は小さく見えますね。これをポンゾ錯視といいます。人は物の大きさを遠近感から判断します。同じ大きさに見えていても遠くに感じると大きな物と錯覚するようです。
鳥や飛行機が空を飛ぶ理由が 分かる、フ〜とハ〜の実験 平成16年12月15日号
手の平を口の前に持ってきて、口を大きく開けてハー、次に口をすぼめてフーと息を吹きかけてください。ハーは温かく、フーは冷たく感じますね。同じ体から出るのですから温度は同じはずなのに、なぜこのようなことが起こるのでしょう。 フーは空気の流れが速く、ハーは遅いですね。流れが速くなると流れの内部の圧力が下がり周囲の温度の低い空気を巻き込みます。そのためフーは冷たく感じるのです。ハーはまわりの空気を巻き込まないので体温と同じ温かさを感じます。では、手の平を口にできるだけ近付け、フーと吹きかけてみてください。この場合は周囲の空気を巻き込めないので温かく感じます。
次に薄い紙を用意し水平にして紙の端を下唇に当て、フーッと息を速く吹き出してみましょう。紙は速い空気の流れに引き付けられて上がります。
このような現象をベルヌーイの定理と言い、鳥や飛行機の翼の周りの空気の流れにも見られます。
鳥や飛行機の翼の形は翼の上の空気の流れが速くなる形になっています。言い換えると、翼の上側の流れはフーで下側はハーの流れになるのです。そのため翼が上に引き上げられ、鳥や飛行機は空を飛ぶことができるのです。
大阪の食べ物の代表は何といってもたこ焼きですね。初回は食卓で楽しめる色変わりたこ焼きの実験を紹介します。
スーパーなどで売っている紫キャベツy玉を細かく手でちぎり、約1リットルの水を入れた鍋で30分ぐらい煮ます。紫色になった煮汁のあら熱を取り、市販のたこ焼き粉と混ぜ合わせます。この時、たこ焼き粉の割合は水で作るよりも少し多めにします。そうすると焦げつきが少なくなりきれいに焼けるのです。そしてたこ焼き器で焦げ目が付かないくらい軟らかめに焼くと、「紫たこ焼き」の出来上がり。そのままで食べても案外おいしいですよ。
この「紫たこ焼き」にレモンを入れたポン酢(透明のものの方が色の変化が分かりやすいです)をかけ、1〜2分観察すると、「赤色たこ焼き」に変化します。これは、紫キャベツに含まれる紫色の色素のアントシアニンは中性では紫色ですが、酸性で赤色、アルカリ性で緑色に変化するためで「紫たこ焼き」はポン酢に含まれている酸性の酢酸(さくさん)に反応して赤色に変わったのです。「赤色たこ焼き」もあっさり味でおいしいですよ。
皆さんもぜひ、色変わりたこ焼きに挑戦してみてください。色の変化がなかった場合は、余った紫キャベツの煮汁に直接ポン酢を少量 ずつ入れてみましょう。きれいな色の変化が見られます。
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